連続ブログ小説 I'll follow the SUN.第14話
6時半になり、いよいよ初のビートルズ日本公演が始まった。前座のブルーコメッツ、いまだ毎度お騒がせ内田裕也、コント以前のコミックバンド時代のドリフターズなど多士済々である。トリのビートルズの面々がいよいよヒルトンを出る。ごった返す地下駐車場。当然、透明人間の家井もキャデラックに乗りこんだ。
「アウチ!」リンゴにぶつかったが初の日本公演で気が張っているのか少し怪訝そうな顔をして左右を振り向くもすぐいつもの不機嫌そうな素顔に戻った。家井もここでヘマをして、人生後半を投げ出してまでタイムトリップし伝説の日本公演をフイにしたくなかったのだがあの憧れの面々と束の間のドライブをしている事実に気も狂わんばかりであった。
「BEEB=BEEB=B=BEEB=B=YEAH!」ポールが昨年末発表し、現在も世界中でロングセラーを続ける名盤「ラバーソウル」の1曲目の掛け合いコーラスの一節を口ずさむ。ジョージは道すがら手を振るアジアの名もない市民に愛想よく手を振る。現在では夜間人口はほとんど居ない永田、赤坂地区であるが昭和40年代前半には相当数の住宅があることにも驚く。
やがてキャデラックはまだ出来たばかりの首都高の霞が関ランプから九段方面に走り出す。充分な休息をとった4人はキョロキョロと周囲を眺め世界に名だたる極東の大都市を車窓から観光した。助手席の永島が周囲が先の戦争で焼け野原になったことや、沿線の英国大使館などを流暢な英語でガイドする。一斉に口笛で『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』いつでも陽気なビートルズ。悟られないように号泣する家井であった。信じられないことだが警視庁はここでも通行止めにして過剰警備を継続している。結果、永田町から北の丸ICで下り武道館まで15分で到着である。オールアンダーコントロール。不気味なくらいの正確さである。
予想通り楽屋入り口は厳重警備下にあり、一般ファンはおろか報道陣も寄り付けない。道理でこの瞬間の写真がないわけである。既にこのころには退屈な4人の中には馬鹿げた日本警察の騒ぎぶりを面白がり、ジョンなどは車外で列をなす警察官達に敬礼などを大袈裟におくっている。デビュー前、ハンブルグのライブハウスで興に乗ったときにはヒトラーの形態模写でドイツ人客をあしらったというジツに彼らしい所作だ。。。
「アウチ!」リンゴにぶつかったが初の日本公演で気が張っているのか少し怪訝そうな顔をして左右を振り向くもすぐいつもの不機嫌そうな素顔に戻った。家井もここでヘマをして、人生後半を投げ出してまでタイムトリップし伝説の日本公演をフイにしたくなかったのだがあの憧れの面々と束の間のドライブをしている事実に気も狂わんばかりであった。
「BEEB=BEEB=B=BEEB=B=YEAH!」ポールが昨年末発表し、現在も世界中でロングセラーを続ける名盤「ラバーソウル」の1曲目の掛け合いコーラスの一節を口ずさむ。ジョージは道すがら手を振るアジアの名もない市民に愛想よく手を振る。現在では夜間人口はほとんど居ない永田、赤坂地区であるが昭和40年代前半には相当数の住宅があることにも驚く。
やがてキャデラックはまだ出来たばかりの首都高の霞が関ランプから九段方面に走り出す。充分な休息をとった4人はキョロキョロと周囲を眺め世界に名だたる極東の大都市を車窓から観光した。助手席の永島が周囲が先の戦争で焼け野原になったことや、沿線の英国大使館などを流暢な英語でガイドする。一斉に口笛で『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』いつでも陽気なビートルズ。悟られないように号泣する家井であった。信じられないことだが警視庁はここでも通行止めにして過剰警備を継続している。結果、永田町から北の丸ICで下り武道館まで15分で到着である。オールアンダーコントロール。不気味なくらいの正確さである。
予想通り楽屋入り口は厳重警備下にあり、一般ファンはおろか報道陣も寄り付けない。道理でこの瞬間の写真がないわけである。既にこのころには退屈な4人の中には馬鹿げた日本警察の騒ぎぶりを面白がり、ジョンなどは車外で列をなす警察官達に敬礼などを大袈裟におくっている。デビュー前、ハンブルグのライブハウスで興に乗ったときにはヒトラーの形態模写でドイツ人客をあしらったというジツに彼らしい所作だ。。。
by qprqpr
| 2006-09-01 22:39
| 連続ブログ小説
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