ポール・マッカートニー&ウイルス(上)

しかし今回の「ウイルス性炎症」によるドタキャン騒動は謎が多い。こんな時期に生ガキ食って入院しただの国技館にいただのデマか本当か目撃情報が少なすぎる。急遽駆けつけたとされる奥さんの姿もみてない。そもそも軽い病ならくる必要もなかろうし、突然の訃報とか考えただけでもゾッとする。もう2-3日したら2014年版ポール死亡説でも流行りそうだ。
1週間時間を戻すと日曜は国立の千駄ヶ谷門に早めに行った。ポールの車を待つ入り待ち組がホープ軒あたりまで埋めていて開門時間の3時半にはすでに1万人くらいが開門を待つが昨日のキャンセルが浮かぶのか大人しく不気味に音ダシも聞こえずバイトのメガホンだけがけたたましく混雑をさばいていた。

4時過ぎか公式発表を待たず当世風に皆、手元の端末で中止の報をささやき、瞬く間にひろまる間に列が解け四方に散る。さすがに東京の人は民度が高く、ほとんどは静かに自分の不運を悟り駅に向かうのだが中には自分も含めその場に立ち尽くす人や泣きくれる女子もいる。
自分も残念は残念だったけどまだこの時点では今日の大阪公演があることと今回の「事件」の当事者となったことは興味深く、時間や飛行機代返せとか言う気にはなれなかった。
皮肉なくらいに爽やかな5月の風が吹き、東京の知人とも別れ、暗くなるまで撤収作業を見た。ふらふらと有楽町のペニンシュラホテルでポールを探すも降りてくる筈もなく、かといえ最低価格9500円税別の夕食を採る気も金もなく、保険?的にとったパールホテル両国(そう、70年代のカープの定宿、伝説の初優勝のビールかけの場所だ)にチェックインするがただの古いビジホでなんの慰めにもならない日曜の夜を過ごしたのであった。

続。