世界イエイエ紀行~英国音楽のフトコロ。(終)
皆さんは90年代中ごろにオリンピアンだとかフォー・ザ・デッドという中ヒットを飛ばしたGENEという「第二のスミス」だとか「モリッシーとポール・ウェラーを足して2で割ったようなグループ」といういかにも・・・な紹介のされ方で日本にも2度かな?来てくれた少し内省的な(スミスだもんね)英国バンドを憶えていますか?(しらんか。もうフェードアウトしたけどホンマ曲自体はいいの多いよ)
そんな彼らが進退をかけて3枚目のアルバムREVELATIONSをリリースした'99年春に彼らを古都エジンバラでキャッチします。映画「トレイン スポッティング」で主人公がポリから追いかけられて走り抜ける橋の近くのライブハウスでその夜ギグがあるというのです。
既に彼らのことは数枚のCDで知っていましたしなんせあのスミスやジャムを彷彿させるということだけでこれはもうストライクゾーンど真ん中なグループなので当然その夜はギグへいくつもりでまずはチケをと夕刻、そのライブハウスへいったみたところさすがは中堅バンドの位置を占めつつあったGENEの皆さん、SOLD OUTとのこと。
それでも今回は「箱」ということで『なんとかならんかいなア』としばらく周囲を徘徊しておりましたら不意にドアが開きリハーサルと思しきサウンドが漏れ聴こえてくるではないですか。まあ旅の記念にとドア付近でしばらく耳を傾けているとクルーの兄ちゃんが「今夜観に来てくれんじゃろ?」と聞いてくるので殊更残念そうに「いんにゃ、券ないんよ」ていうたら兄ちゃんが「じゃリハだけでもきいてったら?」て入り口から少し入ったとこまで連れてってくれるではあーりませんか。
ある意味、リハーサルって本番より生々しく興味深くメンバーを眺めておりましたら脇の鍵盤奏者どこかで見た悪人顔じゃのってなんとスタカンのミック・タルボットさんがバイトでいやヘルプで入っておられましたんよ(!)そんなこんなで嬉しいやら申し訳ないやら驚くことばかりの闖入者でしたがやがてボーカルのマーティンくんが「あらあ あんた日本からきたん?」とステージから声をかけてくれ走ってこちらへ来てくれるではあーりませんか。そしてやはりさすがはモリッシーに例えられる彼、ボクチンにキスの嵐をくれます(ウプっ。。。)
そして向こうから「写真撮ってってや」と色々2ショットでポーズを決めてくれたり、楽屋からビールを取ってきてくれたりと「わざわざ来てくれてありがとう」とサインまでくれます。で最終的にはメンバー全員を呼んでくれ(ミックはこなかった)この東洋からの珍客をもてなしてくれ最終的にはギターのスティーブ君(写真)がゲストリストに「HIRO-MATE!」と書き込んでくれて「これ入り口で渡して」と友達扱いしてくれる始末。結局この夜もタダで油の乗った英国ロックをタンノーさせてもらいました。
英米では開演時間が10時くらいなので夕方はまだ誰も周囲にいないことが幸いしたのもあるけどウワサどおり彼らのファンを大切にする姿勢を身をもって体験ってなんだかこれじゃイギリスでは券なくてもライブ観れるぞってい言ってるみたいじゃの!(良い子はマネしないでね)
蛇足~リハの後、彼らといったん別れ腹ごしらえにと向った近くのバーガーキングで並んでいると後ろに件のマーティン君が。でつい「あ、マーティンさっきはありがとう」って言ったもんだからレジのネーちゃんに気づかれてしまい彼はバツが悪そうに何も買わずに退散。ほりゃあ当時はスターじゃもんね。ゴメンね。喰いっぱぐれさして。