世界イエイエ紀行~英国音楽のフトコロ。
泣いて馬借を斬る(ておうとるん?)て気持ちでポリスを叩き斬った僕チンですが今、迷っているのは来月に迫ったZOMBIESの名盤「オデッセイ&オラクルズ」リリース40周年再結成ライブ。東京くらいなら迷う距離でないけど今回はロンドンのみ3公演のみときたから思案顔。。。まあ年齢的に次の周年はないだろうから(そうワシもいつまでも若くない)スターアライアンスのマイル使えればいきたいところ。
90年代、足繁く渡英していた頃、こんなことがありました。昼過ぎにソウルを出た愛機大韓航空機は宵の内にヒースローに到着します。荷物がすぐみつかれば地下鉄で約1時間で中心部に着きます。その夜は我らがヒーロー、ザ・キンクスのレイ・デーヴィーズ総統のギグがあることは当然察知しての渡英でした。
ところが平生、行いのよろしくない小生。ヒースロー名物、意地悪な入管で足止めを食ってしまい市内に入ってきたのが夜も9時前、宿に荷物を置いているヒマはありません。重いトランクをガラゴロ引きずりながらあの英国音楽史上屈指の名曲、「ウォータールー サンセット」の舞台となったウォータールー橋の袂にあるあの有名なロイヤルフェスティバル ホールの隣、の小ホールを目指しました。
肝心のチケですがキャパが大きくないこともあってSOLD OUT。すでに奥からは聞き慣れた鼻にかかった歌声が聞こえてきます。すでに人気のない入場口には身なりのきっちりした(さすがはロイヤルホール!)初老の紳士がひとり。彼に向かい自嘲気味にトランクを叩きながら「せっかく日本からはるばるやってきてこれだ」と捨て台詞がきいたのか諦めて帰ろうと思った刹那、その紳士が「OK!ちょっと待って」(英語でですが)とホールへ。
数分後、「K列の24番(忘れたけど)にいってご覧」と惚れ惚れするようなBBC英語が返ってくる。(さすがロイヤル)果たしてそこへいってみるとひとつだけ空席があって本場で往年のキンクスファンたちに混じってレイさんへ声援を送ったのでありました。
さて、かの国はチップの国。ショーもはけ、件の紳士にいくばくかのお礼をと思い、20£紙幣を手渡そうとしますが固辞され海外旅行のお供、浮世絵の絵葉書かなんかを数枚手渡し彼と別れたのですが、こんなこと日本で有り得るでしょうか?見ず知らずの外人が不自由な言葉で大荷物を手に不意に現れたらどんな対応が予想されるでしょうか?こんな裏方さんのことからもファンを大切にする英国音楽の奥深さ、だからさすがに最近はDL文化全盛ですからその機会は減ったでしょうがオーディエンスは伝統的にそのミュージシャンのシングルも買いアルバムも買い、ライブへとせっせと足を運ぶのでしょうね。
次回は(あるんかい)あるミュージシャンから受けた信じられないファンサービスについての自慢話。英国音楽の奥深さのココロだあ~
(続)