第10話
黄色のストライプのジャケットのリンゴ。ピンクのスーツのジョン。もっとも地味ないでたちのポールでさえ花柄のシャツ。誇張ではなくこのシーンが仮に2006年のニューグループの紹介写真であっても違和感はないだろう。キャプションも「正統派ブリットポップの新星!ビートルズの再来!?はてまたネオネオネオ モッズブームの逆襲?!」なんてこれまた古典的なキャッチだけど恐らく80%の人が信じるであろうエバーグリーンなのだ。翻って紅真珠の間を埋めつくした初夏だというのにドブネズミスーツに白カッターシャツ軍団に制服姿の警官。見ようによってはどちらもピエロである。
このコントラスト自体が日本における「ロック黎明期」そのものを象徴していたといえるだろう。もちろん66年ということは100%のティーンが「戦争を知らない子供たち」である。一部の者は「セックス・ドラッグ・ロックンロール」的な生活や理解を示したものだろうが、この会見場にはそんな層は一人も潜りこめていなかった。つまり1966年の日本国には大人(ロックなど見下げる人種という広義での)と子供(これもロックなどにうつつをぬかす層という広義)しか存在しなかったといえるだろう。つまり「若者=ロックな人々という狭義での意味」の余地、がなかったということを現していると家井は感じたため、これが21世紀だったと仮定すれば質問は当然、
21世紀の記者:「まずジョン。ニューアルバムの進行状況とコンセプトをお願いします」
「ポール。新曲のペーパーバック・ライターだけどどうして職業についての歌詞を思いつい たの?」だとか
「これはマネージャーのブライアンに尋ねるんだけど今回の初来日で今後のマーケット展 開をアジアに照準を合わせていくということかな」
「本来、東京ドーム15日大阪ドーム10日が適当なキャパと思われますが今回の初来日 は武道館5回公演ということでネットオークションでは最低の席でも480000円の落札 価格となっていることについて、ジョージはどう思う?」
というマネージメントのことや当然、内面的な変化にも触れざるをえなく
「ジョン、『ノルウェーの森』で登場する女性は実在するの?」とか
「思い切った質問だけど最近の作品ではやたら歌詞がカラフルで立体的なんだけどアル コール以外の助けを借りることが多いんですか?んーと例えば・・・ヨガとかの独自のリ ラックス法があるとか?」などと当人達を少し慌てさせたりとかの質問が当然と考えら れるからだ。
それなのにそれなのに、前述(第9話)のような愚の骨頂としか質問の仕様のない社会の成熟度の低さに驚愕した家井はなぜだか無力感に苛まれ申し訳ないのだった。
このコントラスト自体が日本における「ロック黎明期」そのものを象徴していたといえるだろう。もちろん66年ということは100%のティーンが「戦争を知らない子供たち」である。一部の者は「セックス・ドラッグ・ロックンロール」的な生活や理解を示したものだろうが、この会見場にはそんな層は一人も潜りこめていなかった。つまり1966年の日本国には大人(ロックなど見下げる人種という広義での)と子供(これもロックなどにうつつをぬかす層という広義)しか存在しなかったといえるだろう。つまり「若者=ロックな人々という狭義での意味」の余地、がなかったということを現していると家井は感じたため、これが21世紀だったと仮定すれば質問は当然、
21世紀の記者:「まずジョン。ニューアルバムの進行状況とコンセプトをお願いします」
「ポール。新曲のペーパーバック・ライターだけどどうして職業についての歌詞を思いつい たの?」だとか
「これはマネージャーのブライアンに尋ねるんだけど今回の初来日で今後のマーケット展 開をアジアに照準を合わせていくということかな」
「本来、東京ドーム15日大阪ドーム10日が適当なキャパと思われますが今回の初来日 は武道館5回公演ということでネットオークションでは最低の席でも480000円の落札 価格となっていることについて、ジョージはどう思う?」
というマネージメントのことや当然、内面的な変化にも触れざるをえなく
「ジョン、『ノルウェーの森』で登場する女性は実在するの?」とか
「思い切った質問だけど最近の作品ではやたら歌詞がカラフルで立体的なんだけどアル コール以外の助けを借りることが多いんですか?んーと例えば・・・ヨガとかの独自のリ ラックス法があるとか?」などと当人達を少し慌てさせたりとかの質問が当然と考えら れるからだ。
それなのにそれなのに、前述(第9話)のような愚の骨頂としか質問の仕様のない社会の成熟度の低さに驚愕した家井はなぜだか無力感に苛まれ申し訳ないのだった。
by qprqpr
| 2006-07-28 22:10
| 連続ブログ小説
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